舟を編む 三浦 しをん [本 三浦しをん]
☆☆☆☆★
大変面白く、内容も軽いため、一気に読了。
大手出版社の辞書編集部の話。
「神去なあなあ日常」では、林業の世界、「仏果を得ず」では、文楽の世界。
この本では、辞書編集の世界。
三浦さんは、一般にあまり知られていない現場で主人公らを生き生きと活動させ、
物語を進ませて行くことがとても上手い。
今回も辞書編集に向いている主人公も、向いていない脇役も、
慣れていない女性編集者も、そしてその他の人々も生き生きと描かれて、
面白く読めると共に、辞書編纂の意義とすばらしさを私に感じさせてくれる。
しかし、この内容と面白さならば、もっと長編でも良いのではないかと感じた。
読んでいて、途中を省かれた感じを受けたり、
書き込みが足りないのではないかと思ったりした。
特に辞書編集のベテラン荒木さんと国語学者松本先生への書き込みがほしい。
この本で三浦さんが創作した世界が興味深く、登場人物も魅力的であり、
この本の長さではもったいないし惜しい。
そして、完全に省かれた辞書編纂中盤がとても残念。
とはいえ、短いことが残念に思うほど面白い本。
また再読したい本。
タグ:三浦 しをん
2012-09-30 15:47
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