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遠き山に日は落ちて 佐伯一麦 [本 佐伯一麦]


遠き山に日は落ちて (集英社文庫)

遠き山に日は落ちて (集英社文庫)

  • 作者: 佐伯 一麦
  • 出版社/メーカー: 集英社
  • 発売日: 2004/10
  • メディア: 文庫



☆☆☆☆★
何らピークのない作品。
好ましい人物が、好ましい場所で暮らしている日常が書かれている。

しかし、読後の満足感は高い。

この題材で、これだけ読ませる。
作者の力量を感じる。

丁寧な文体で、穏やかに語られていく。
穏やかな内容が、穏やかに語られていくところが良い。
また、語り方が不足気味なことが、本書を良い本にしているように思う。

書き過ぎでつまらなくなる本も多い。
本書は逆の良い例。
そして東北弁が良い。東北弁の会話で状景が見えるようだ。

本書に登場する文筆家と染色作家の物語は、続編が出ている。
また、本書以前の物語も本になっているようだ。
斎木と奈穂の物語を読んでみたい。



タグ:佐伯一麦
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