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船に乗れ! (3)合奏協奏曲  藤谷 治 [本 藤谷 治]


船に乗れ! (3)

船に乗れ! (3)

  • 作者: 藤谷 治
  • 出版社/メーカー: ジャイブ
  • 発売日: 2009/11/05
  • メディア: 単行本


☆☆☆☆☆
面白い。評判通りの面白さだった。

大きな喪失と、それに影響された深い罪への後悔の物語。

1冊目・2冊目があってのこの本なのだが、俄然面白くなる。
長編で終盤になればなるほど面白くなっていくのは、良い本の証の一つではないだろうか。
著者の書きたかった事、表現しかかった事がしっかりとこの長編小説のクライマックスになっていると感じる。




先生への謝罪と南からの手紙がとても印象的。

謝罪を受ける金窪先生は、大きな理性と度量の大きさを示しており印象に残る。
音楽と共にこの本のベースになっている哲学というものを体現し、そして強く印象的に表現することに成功していると感じる。

そして南からの手紙。
本当に文才のない女子高生が悩みながら書いた手紙という感じで、明確な意図・意志は主人公にも、読んでいる私にも伝わらない。
そこがこの小説に,更に少しの深みを与えているように感じられてならない。


最近、ヴァイオリンの悲しい曲を聴くと、南さんが弾いているような感じを受ける。
更に切ない曲に聞こえる・・・
高校生には厳しい喪失感と罪の意識への切なさか・・・

いずれ必ず再読しようと思う。



タグ:藤谷 治
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