今日を刻む時計―髪結い伊三次捕物余話 宇江佐 真理 [本 宇江佐真理]
☆☆☆☆★
宇江佐さんの髪結い伊三次シリーズ。
オール読物で読んでいたので、ほぼ再読の様なもの。
伊三次や不破も脇にまわりその子達が話の中心となっている。
シリーズ初期の方が面白い様な気もするが、
この本も慣れ親しんだ、安心感のある、楽しい読書時間を過ごせた。
この楽しい時間が大切だと思う。
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雷桜 宇江佐 真理 [本 宇江佐真理]
☆☆☆☆☆
宇江佐さんの作品は良いものが多いと思うが、中でも本書は傑作の1つだと感じた。
大分前に購入していた本。
悪い癖で、狼女やファンタジーなどという言葉のイメージで敬遠していた。
いつか読もうと思っていたが、何年も経ってしまった。
読んでみたら、大変に面白い。
引き込まれて読み進んだ。
単純に言えば江戸時代の恋物語ではあるが、その背景と登場人物の描写が良く、物語を複雑にして面白くしていると感じる。
宇江佐さん得意の江戸人情話ではないが、大変面白く読めた本。
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夕映え 宇江佐真理 [本 宇江佐真理]
☆☆★★★
幕末の本所にある一杯飲み屋を舞台にした物語。
宇江佐さんの作品は大好きで、本当に良いものを書く作家だと思う。
この本も市井ものの良さは出ていて良いのだが、松前藩への強い拘りが良さを大きくスポイルしているように感じた。
他の私の好きな時代小説作家も生まれ育った地方の藩を舞台にする人も多い。
宇江佐さんは北海道で松前藩なのだろう。
勿論そのことは何ら問題なく、逆に今後の宇江佐さんに期待している。
ただ、本作では松前藩と幕末の動乱について主人公達の関わらないところまでの描写が続く。
私としては素直に市井ものとして楽しみたいと感じた。
私は宇江佐さんの作品は読む前より大きく期待してしまうところがあり、
そのせいかとも思う。
おはぐろとんぼ 宇江佐真理 [本 宇江佐真理]
☆☆☆☆★
宇江佐真理さんらしい本。
江戸の堀をテーマにした短編集。
それぞれの短編に登場する人物が個性的で魅力的、
長編で楽しみたいと感じる内容。
短編では惜しいと感じた。
どの短編も良く甲乙つけがたい。
そして素晴らしいのは、それぞれの短編が違う系統の話になっている事。
それでも1冊の本として違和感は全くない。
是非、再読したい、お勧めの本。
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晩鐘 続・泣きの銀次 宇江佐真理 [本 宇江佐真理]
☆☆☆☆★
泣きの銀次の続編。出ているとは知らなかった。
泣きの銀次は読んでいるが、大分前で良く覚えていないまま読んだが、十分に楽しめた。
いくつもの事件が起こる訳ではなく、一つの事件で構成されている。
しかし飽きる事は無く、よく書けている本だと思う。
周囲の人物も魅力的で、更なる続編をと感じる。
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