SSブログ

幸福な食卓  瀬尾 まいこ [本 瀬尾 まいこ]


幸福な食卓 (講談社文庫)

幸福な食卓 (講談社文庫)

  • 作者: 瀬尾 まいこ
  • 出版社/メーカー: 講談社
  • 発売日: 2007/06/15
  • メディア: 文庫



☆☆☆☆★

中学生から高校生までの女の子と家族の話。

出だしからあまり期待しないで読んでいたが、面白く読めた。
そして何とも言えない読後感があった。

主人公の家族はある程度深刻な状況にあるのだが、経済的な困窮が無いせいか、
穏やかな印象を受ける。
また文体や表現方法も、そのような感じを作り出している様に思う。
深刻な状況に至るまでの事情について深く掘り下げられていない事も良いのかもしれない。

登場人物も主人公以外は個性が強く、揃ったなとも思うが、
主人公も含め魅力的であり、物語を面白くしている。

終盤の大きな展開も少々驚いたが、違和感なく読めた。
この展開が、本書を良い本として成立させているものと感じた。


nice!(0)  コメント(0)  トラックバック(0) 
共通テーマ:

花の歳月  宮城谷 昌光 [本 宮城谷昌光]


花の歳月 (講談社文庫)

花の歳月 (講談社文庫)

  • 作者: 宮城谷 昌光
  • 出版社/メーカー: 講談社
  • 発売日: 1996/01/11
  • メディア: 文庫



☆☆☆☆★

中国は前漢時代の貧しい名家出身の少女の話。

宮城谷さんの中編小説。
今まで読んだ宮城谷さんの本より、より綺麗で端正な文体の様に感じた。
主人公が美貌の少女のせいだろうか。

老子思想にも絡み、暖かいストーリーが進められる。
主人公に対し良い人が次々に現れ、結果も良い。
まさに上質な物語のような作品と感じた。

宮城谷さんの長編小説とは趣は違うと思うが、このようなものも良い。

暖かい感じの良作と感じた。



ビブリア古書堂の事件手帖3 ~栞子さんと消えない絆~  三上 延 [本 三上 延]


ビブリア古書堂の事件手帖3 ~栞子さんと消えない絆~ (メディアワークス文庫)

ビブリア古書堂の事件手帖3 ~栞子さんと消えない絆~ (メディアワークス文庫)

  • 作者: 三上 延
  • 出版社/メーカー: アスキー・メディアワークス
  • 発売日: 2012/06/21
  • メディア: 文庫



☆☆☆★★

先日読んだこの本の3作目。
2作目を飛ばして読んでしまったが、問題なく読めた。

軽い内容で、すぐに読み終わるが楽しめる。
先日の1作目と同様に面白い。

古書への興味と、女性古書店主と主人公そして店主の妹の会話、雰囲気が面白さの肝であろうか。

2作品目も早く読みたいと思う。



タグ:三上 延

漂流  吉村 昭 [本 吉村昭]


漂流 (新潮文庫)

漂流 (新潮文庫)

  • 作者: 吉村 昭
  • 出版社/メーカー: 新潮社
  • 発売日: 1980/11
  • メディア: 文庫



☆☆☆☆☆

江戸時代に鳥島に漂着した漁師の話。

小学生の頃より「ロビンソン・クルーソー」が大好きで、繰り返し読んでいた。
「十五少年漂流記」も好きで何度も読んだ。
後年、「無人島に生きる十六人 」も面白く読んだ。

そしてこの本。圧倒的に重い。
巨大な孤独と深い絶望が、描写される。


続きを読む


タグ:吉村 昭
nice!(0)  コメント(0)  トラックバック(0) 
共通テーマ:

舟を編む  三浦 しをん [本 三浦しをん]


舟を編む

舟を編む

  • 作者: 三浦 しをん
  • 出版社/メーカー: 光文社
  • 発売日: 2011/09/17
  • メディア: 単行本



☆☆☆☆★

大変面白く、内容も軽いため、一気に読了。
大手出版社の辞書編集部の話。

神去なあなあ日常」では、林業の世界、「仏果を得ず」では、文楽の世界。
この本では、辞書編集の世界。
三浦さんは、一般にあまり知られていない現場で主人公らを生き生きと活動させ、
物語を進ませて行くことがとても上手い。

今回も辞書編集に向いている主人公も、向いていない脇役も、
慣れていない女性編集者も、そしてその他の人々も生き生きと描かれて、
面白く読めると共に、辞書編纂の意義とすばらしさを私に感じさせてくれる。




続きを読む


nice!(0)  コメント(0)  トラックバック(0) 
共通テーマ:

この広告は前回の更新から一定期間経過したブログに表示されています。更新すると自動で解除されます。